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POV映画は新たなジャンルとして確立し、徐々に作品数も増えてきている今日この頃。
POVはホラー映画に多く使用されています。RECやクローバーフィールド/HAKAISHAなどがその代表作として挙げられるでしょうか。
過去記事も、POV映画についていくつか取り上げています 【ザ・ベイ】汚染がテーマの疑似体験 【映像体験】一人称視点「ハードコア」は4月に観るべき映画の1つ 【内容0だが怖さはそこそこ】POVホラー「グレイヴ・エンカウンターズ」
今回の作品も、POVホラーです。が、日本では未公開作品であまり知られていない作品です。
「テイキング・オブ・デボラ・ローガン」
今回はその紹介と、ネタバレ感想を綴ります。
この映画について/あらすじ
この映画、日本では未公開でアメリカでは2014年に公開されていた映画です。およそ3年の時を経て、今回レンタルやデジタル配信などでやっと日本に上陸しました。
ということで現在(2017年4月時点)は新作or準新作となりますが、鑑賞後の感想としては新作で観ても損はしないホラー映画でしょう。
さて、あらすじですがレビューサイトにはどこにも載っていないので、DVDレンタル屋さんに行くか個人ブログなどを見ないとわからないようになっています。
以下、自筆のあらすじです
あらすじ
医大生のミアら3人の大学生は、アルツハイマーの研究で実際にアルツハイマー患者の取材をすることに。協力してくれたのはローガン一家で、デボラ・ローガンがその撮影の対象となる。デボラの娘のサラと二人暮らしのローガン家は、お金が無いために援助金が出る取材を快諾。撮影も、承諾を貰い順調なはずだった。
しかしある日、デボラの症状が悪化。予想されているよりずっと早く、アルツハイマーの症状が進行しているというのだ。
しかし、カメラに映っているデボラの奇怪な行動から、ただのアルツハイマーではないと悟った取材班3人とサラ。
原因を追求していく内にしだいに衝撃の真実が明らかになっていく。
右に見えるのが娘のサラ。左が医大生のミア。
最初のシーンでは、和気藹々と話が進行していきますが、中盤から雰囲気がしだいに変わっていきます。
予告編
以下、ネタバレを含みながらレビューをしていきます。
ネタバレを見ない方が楽しめる作品なので、これから観ようと思っている方はこのページをそっと閉じて下さい。
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この老婆、アルツハイマーか否か
この映画はPOVなので、「本物の取材」感を味わうことができます。撮影クルーの一員になったような気分ですね。
なのでそこそこリアル感はあり、「アルツハイマー患者」をテーマにしているので
「リアルホラーか、悪魔系のホラーか」
という二分した予想をすることができます。
それ故、この映画の楽しみ方はここにあると思います。
デボラの起こす行動、たとえば「急に発狂する」「突然探し物をする」といった描写は完全に「アルツハイマー」に起因すると考えられるので
「あれ、もしかしてこの映画、アルツハイマーの老婆が起こすリアルホラー作品かな?」
なんて思いながら映画を観れる訳です。
しかし収録したある映像によりその考えは一転します
連続した映像で、デボラが瞬間移動をしたり、しゃべれないはずのフランス語を喋り出したり。
あぁ、これは完全に取り憑き系のホラーだな、とここで確信するのです。
う〜ん、見せ方がうまいですね。
確信するまでは本当にグレーゾーンの映像の連続なので、「どっちだろう?」と迷いながらも地味に楽しめました。
アルツハイマーの設定はいらない、というレビューを他サイトなどで見かけましたが、僕はむしろこの設定があって良かった気がします。
ネタバレ感想
総評
取り憑き系のホラーだと盛大にネタバレした所で、感想を書いていこうと思います。
まず、全体の総評ですが、個人的には「中の上」の面白さでした。
ありがちな展開でしたが、こういう映画はとにかく「映像を楽しむ」事が重要だと思うので、ストーリーに関しては多少マイナスでも「面白かった」と言うようにしています。
そもそもなぜデボラが取り憑かれたのか?誰の仕業か?というのがこの映画最大の謎なのですが、特に伏線は無く「昔こういう事実があって、こうなった。だからデボラは取り憑かれている」という結構あっさりとした展開だったのでちょっとう〜ん、となりました。
が、POVホラーにその伏線を求めてはいけませんね。謎に関してはまぁ納得しました。
40年前、少女連続誘拐・殺害事件があったのですが、それは医師・デジャルダンがある儀式によって永遠の命を得るために「5人の少女」を誘拐する必要があり、その5人目に実はサラが狙われていた、という話だったのです。
ではなぜこの40年前の話がデボラに関係しているのかと言うと、サラを守るために、逆にデボラがこのデジャルダンを殺し、家の近くの森に死体を埋めたというのです。
デボラ、勇ましすぎる!!
しかし、デジャルダンの呪いにより、デボラの体は蝕まれて行くのです。
なるほどなるほど。そういう事だったのね。
ここに至るまでが結構長めに感じましたが、デボラの奇怪な行動も中々恐怖だったので、個人的に合格点にしておきましょう。老婆が奇怪な行動をすると、マジで怖い。
特に屋根裏のシーンが恐ろしかった…悪魔の様な声を出しながら、全裸でタイプする老婆の姿はトラウマ級に恐ろしかったです。
また、ラスト10分間は衝撃映像です。
キャプ画だけでも、なかなか恐ろしい….老婆が少女を丸呑みにする映像です。
ここもトラウマ級に怖かったですね。電気を消して鑑賞したので、怖さ倍増でした。
ラストは満足のいく展開で、面白かったです。
デボラ役の人の演技が最恐
この映画で最大の見所は、デボラ役の人(ジル・ラーソン)の演技力です。
こんな優しい感じのお婆ちゃんが
こんな恐ろしい顔つきになったり
アルツハイマー病患者の様な演技の幅がめちゃくちゃリアルで、多重人格者かと思うほど演技が上手いです。
冗談抜きで、このジル・ラーソンの演技力は評価に値します。
体当たりの演技も多く、それだけでも観る価値は十二分にアリです!!
おわりに
ホラー映画を探索する日々ですが、ある意味掘り出し物に出会えた気分になりました。
まだ未鑑賞の方は騙された気持ちで手に取ってみてはいかがでしょうか。
テイキング・オブ・デボラ・ローガン
なかなかの良作でした。
老婆ほどホラーにふさわしい人物ってなかなかいないですよね…(笑)
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デボラ、勇ましすぎる!!に同意!ちょっと笑ってしまいました。
POV方式のホラー多いですね。
でもこれ最高ってのが無いですね。
コメントありがとうございます!
確かにPOVでこれといって満足するものはありませんね。
肝心な場面で手ブレとかして「そこもっと見たいのに!」ってなります(笑)