【ザ・ベイ】汚染がテーマの疑似体験


「The Bay」は2012年制作のアメリカ映画。監督はバリー・レヴィンソンで、過去には「レインマン」で第61回アカデミー賞作品賞・脚本賞を受賞しておりその実力は折り紙付きでしょう。バリー・レヴィソンはこれまでに数多くの作品を監督しているのですが、なかなかシリアスなストーリーを作るのが上手いです。そんな監督が今回初めてPOV方式で撮影した映画が「The Bay」です。

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POVとは?

 

POVとは「Point Of View」の略記で、まるでビデオカメラで撮影したかのような主観的な撮影手法のことです。通常の手法で撮影された映画と異なり、その緊迫感をリアルに表せれる事からホラー映画などに使用される割合が多いです。

ここ最近では「クローバーフィールドHAKAISHA」「パラノーマルアクティビティ」「クロニクル」など数多くの映画でその手法が使用されています。

 

 

二分する評価が存在する理由

 

The Bay はその独特の雰囲気から高評価をつける人が続出しています。が、逆にそうでもなかった…という人も居るのです。

原因はおそらくそのパッケージにあるのでは、と思います。The BayのパッケージをDVDレンタル屋さんやネットの検索でご覧になってみてください。その毒々しいデザインから、「モンスターパニック映画」だと勘違いしてしまう人が少なからずいると思います。実際私もはじめ、「めっちゃおもしろそうなモンスターパニック映画っぽい!」と感じて観てみたのですがその予想と全く違いました。期待した内容とは違うと映画って低評価になりがちですよね。たぶんこの原因が少なからずあると思います。

しかし内容が悪いわけではありません。むしろ独特の雰囲気を醸し出し非常に味のある映画になっています。これから鑑賞しようとしている人はこの勘違いの部分を解消してから観て欲しいものです。

 

 

食事中は絶対観るな!グロテスクを前面に出したリアルドキュメンタリー

 

 

The Bayのあらすじを簡潔に説明しておきましょう。

新米リポーターのドナは仕事熱心で、ある小さな町のお祭りの取材をリポートしていた。平和な町、平和な時間がすぎる中突然正体不明の集団感染が発生。その発生源は一体どこから来ているのか?その寄生虫の正体とは?疑問を追求していく間にも感染はどんどん広がり、死者は増えていく….

 

という「寄生虫」が人間を蝕んで行く展開をドキュメンタリータッチで描かれています。この映画でインパクトがあるのがその寄生された人間のビジュアルです。炎症が超リアルな特殊メイクで表されていて、そのグロテスクさは食事中でなくとも気持ちが悪くなります。絶対に食事中に鑑賞しないで下さい(笑)。

 

 

根底にある環境破壊への警笛

 

この映画の根底にあるメッセージは、「環境破壊」です。監督はインタビューでこう答えています。

「チェサピーク湾はアメリカの最も大きな入り江のひとつなのだが、私が子どものころはもっとキレイで、魚やカニなども多く、素晴らしいシーフードが食べられた。それがここ数年は破壊され続けている。『ザ・ベイ』の中に出てくる科学的な情報などはすべて事実だ。水中のステロイドの量や、投げ捨てられる鶏の排泄物など、すべて調べ上げた事実しか述べていない」

 

(引用ー映画.com/ザ・ベイインタビュー)

この映画で使われている数値も含めてフィクションなのかと思っていたのですが、この部分はノンフィクション、実際の数値を使っているらしいです。リアルとノンリアルの境界をなくし、現実と非現実の情報を混ぜる事でこの映画になんとも言えないリアルさを付加しています。

 

上に書いたように、そのグロテスクささえもリアルです。戦争当時の状態を直視して反省するように、環境破壊が招いた結果を直視することで反省すべきだと監督はその警笛を鳴らしているようです。この映画ではノンフィクションでも、他のケースで実際に起きている現実かもしれないし、起こりうることかもしれない。そういう状況をしっかり捉えた映画だと思います。

 

 

リアルホラーが好きな人にオススメ

 

そのリアルさ故に特にエンターテイメント性は無く、万人にはオススメできない映画です。しかしリアルホラーが好きな人や、POVが好きな人、ジトッとした映画が観たいなぁと言う人にはかなりオススメの映画です。後味はなんともいえないですが、掘り出し物に当たったような気分になれる映画です。

「The Bay:ザ・ベイ」。気になった方は是非。

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